実践紹介
中学校における情報教育推進のポイント 情報教育最前線 〜中学校編〜 人とのつながり・ネットワークを活かす教育実践
授業をする成田先生
生徒たちの前で課題について
説明する成田先生
パソコンを操作する生徒
課題の中にパソコンを自然な形で
組み込むことが重要。
成田先生 私たちの学校は、特別に情報通信機器が整っているワケでも、スペシャリストの教員が集まっているワケでもありません。重要なのは、どんな学校でも「日常的に」情報教育の視点を取り入れていくことだと思います。
◆パソコンはあくまで手段として活用
情報教育=パソコン教育という考えは間違いです。重要なのは、子どもたちに「情報活用の実践力」を育てる視点です。そのために、課題追究型のカリキュラムを設定し、その手段としてパソコンを自然な形で組み込んでいく事が重要だと思います。
◆興味を持って調べた事柄は忘れない
受験を控えた中学生にとって、「課題追究型の情報教育は非効率的ではないか」との指摘があります。確かに、社会科で言えば人の名前や元号などを暗記することも大切です。でも、ただ暗記するだけでは覚えた知識を使えない人間になってしまう危険性があります。また、自ら課題意識や興味を持って調べた事柄は忘れないので、情報教育は決して効率が悪いわけではないのです。
◆ネットワークを広げる努力が重要
学校という狭い領域で生きる教員が、社会という広い世界に飛び出していく子ども達を指導するためには、自ら学校外の地域や職業との違いを肌で感じとっていく必要があります。そのためには、教師自身が日頃の視野の狭さを認め、ネットワークを広げようと努力しなければなりません。インターネットはそのツールとして優れたツールだと思いますし、校長先生や教育委員会はこうした繋がりを求める教員に積極的な支援をしていくべきだと思います。
「人と人のネットワークが大切」
これが成田先生のメッセージです。
例えば、「インターネットを教える」ということは、その仕組みや利用法のバリエーションについて教えることだと思ってしまいますが、それだけではありません。インターネットは私たちの生活に入り込み、生活を豊かにする道具です。そのことを体感させない限り、インターネットの本質は理解できません。
成田先生の実践は、日頃から「人とつながる」ことを大切にしています。情報機器をあくまで道具として見ています。しかも実に自然体です。
実は、日常化こそが情報教育のポイントです。これが、私たちが成田先生から学ぶべきことです。

静岡大学 情報学部 情報社会学科
教育情報システム研究室 助教授
堀田 龍也

第7回 「情報教育最前線 人とのつながり・ネットワークを活かす教育実践」(9/9) <- 前のページへ
名古屋市立助光中学校での実践紹介